自宅でプロ並みのドリップコーヒーを淹れる方法
はじめに
q coffee roasterです。
皆さんはコーヒーを飲むとき、どの抽出方法で抽出されたコーヒーがお好きですか?
日本人にとって馴染みがあるものだとやはりドリップコーヒーでしょうか。
ネルドリップやサイフォンもいわゆる喫茶店で古くから用いられている抽出方法ですね。
他にもエアロプレスやフレンチプレスといった抽出方法もあり、さらにエスプレッソとして抽出したりと、抽出方法を挙げだしたらキリがありませんね。
私自身はドリップコーヒーが一番好きで自宅でもよく淹れたりするので、今回は私のドリップコーヒーの淹れ方をご紹介できればと思います。
ドリップコーヒーの淹れ方
ドリップコーヒーをプロ並みに淹れるコツはたった1つ!
プロと同じレシピ通りに計量・計測して抽出すること です!
ドリップレシピ
私のドリップレシピは以下のとおりです。
- 粉量: 10g
- 湯量: 165g
- 挽き具合: 中細挽き
- 湯温: 96℃以上
- 蒸らし: 30秒
- 抽出時間: 2分
使用器具
使用している器具は以下のとおりです。
- ドリッパー: Hario V60 陶器 (1~2杯用)
- サーバー: Hario V60 (1~2杯用)
- ペーパーフィルター: Hario V60
- ケトル: Bonavita
- グラインダー: Niche zero
- スケール: acaia Pearl Model S
解説(手っ取り早くレシピだけ知りたい方向け)
手順は以下のとおりです。
- お湯を96℃以上で沸かしておく(温度管理ができるケトルがない場合は、沸騰した直後のお湯を使うと良い)
- コーヒー豆(または粉)を10g計っておく
- ドリッパーにペーパーフィルターをセットして軽く湯通しする
- 湯通ししたお湯を捨てたら、粉をセットする
- まずは粉全体にお湯をかけ、30秒間蒸らしをする(なるべくかけるお湯の量は少ないほうがよく、多くとも30g程度にする)
- 蒸らしが終わったら中心から徐々に円を広げていくようにお湯を注ぎ、注いだお湯がトータルで165gとなるまで注ぐ(外側まで注いだら逆に円をちいさくしていくように注ぐ)
- 1分30秒で注ぎ終わり、2分でお湯が落ちきるのが理想的
- 抽出したコーヒーを軽くかき混ぜ、カップに注ぐ
解説(レシピの詳細や根拠まで知りたい方向け)
まず私のレシピの目指すところは、コーヒー豆の味の成分を過不足なく適切に抽出することと、口に含んだ瞬間から後味まで一貫して味を感じられることです。
- お湯を96℃以上で沸かしておく
- 湯温は高ければ高いほど味の成分を抽出しやすくなります。私のレシピは味を過不足なく抽出するためのものなので、できる限り高い温度での抽出をします。
- コーヒー豆を10g計っておく
- 湯量165gに対して10gより少ないと過抽出になってしまい、逆に10g以上だと未抽出になってしまいます。
- ドリッパーにペーパーフィルターをセットして軽く湯通しする
- 湯通しする理由はペーパーフィルターにコーヒー抽出液を吸われないようにするためです。ペーパーフィルターを濡らさずに抽出をしてフィルターに抽出液を吸われると、コーヒーを口に含んだ瞬間の印象が弱くなります。また、ドリッパーやサーバーを温める目的もあります。
- 湯通ししたお湯を捨てたら、粉をセットする
- 味が薄まっちゃうので湯通ししたお湯は捨ててください笑
- まずは粉全体にお湯をかけ、30秒間蒸らしをする
- 蒸らすことでコーヒー豆から味の成分を抽出しやすくなります。より味の成分を抽出したコーヒーにするためには、蒸らしの段階でお湯を注ぎすぎないことが重要です。私の場合はだいたい20g弱くらいのお湯でコーヒー粉全体にお湯を注ぎつつ蒸らしに入ります。蒸らしのお湯を注ぎ終わるのは10秒くらいです。
- 蒸らしが終わったら中心から徐々に円を広げていくようにお湯を注ぎ、注いだお湯がトータルで165gとなるまで注ぐ(外側まで注いだら逆に円をちいさくしていくように注ぐ)
- 他のレシピと特に差別化される部分はここかなと思います。真ん中に円を描くように同じ部分に注ぎ続けたり、2回か3回に分けて注いだりするんですが、私のレシピでは全体的にまんべんなくお湯を注ぎ、かつ1回ですべてのお湯を注ぎ切ります。同じところに注ぎ続けると注ぎ続けた部分が過抽出になり、注いでない部分が未抽出になってしまうのでそれを防ぎたいのと、成分を抽出するためには常にコーヒー粉をお湯に浸かった状態にしておきたく、そのためには注ぎ分けるより1回で注ぎ切る必要があるのです。
- 1分30秒で注ぎ終わり、2分でお湯が落ちきるのが理想的
- いろいろと試しましたが、この時間がもっとも過抽出と未抽出のキワキワを攻められます。
- 抽出したコーヒーを軽くかき混ぜ、カップに注ぐ
- 抽出初期と中期、後期では味が異なるため、抽出後は混ぜてあげる必要があります。混ぜることで一体感のあるコーヒーになります。
おわりに
現時点での私のレシピを公開させていただきましたが、比較的アップデートすることが多いので、また折をみて公開させていただければと思います。
それでは皆さん、よいコーヒーライフを!
スペシャルティコーヒーはなぜ美味しいのか?
はじめに
q coffee roasterです。
すっかり肌寒くなってきて、温かいコーヒーが美味しい季節になりましたね。
皆さんはスペシャルティコーヒーというものをご存知でしょうか?
今回の記事ではそもそもスペシャルティコーヒーってどんなコーヒーで、果たしてそれは美味しいのか?という内容を深掘りしていきます。
スペシャルティコーヒーとは?
スペシャルティコーヒーとは、一言でいうと高品質なコーヒーのことです。
コーヒーが高品質たる所以はいろいろとあります。
- 正しく栽培・収穫・精製されたものであること。
- 生産者の情報や農園の情報が追跡可能
- (生産者に適切な対価が支払われていること)
上記の内容を満たしているかつ、テイスティングした際の味の評価が一定以上であればそのコーヒーはスペシャルティコーヒーということになります。 (生産者への対価の部分は未だ改善の余地があるらしく、私としても疑問をもつ部分でもあるためカッコをつけさせていただきました)
テイスティングした際の味の評価が一定以上であれば
味の評価が一定以上、というところをもう少し深掘りしてみましょう。
コーヒーをテイスティングする方法で代表的なものだとカッピングという方法があります。
カッピングのやり方などはまた別記事でお話できればと思うのですが、カッピングをすることでそのコーヒーの本来の味を感じることができます。
さらにカッピングをしてコーヒーの味をどう評価するか、なんですが、以下の項目に沿って評価します。(団体によって異なることもありますが、自分はCOE(カップ・オブ・エクセレンス)信者のためCOE基準でお伝えします。)
- クリーンカップ(雑味のなさ)
- アシディティ(酸の質)
- スウィートネス(甘さの質)
- バランス(酸と甘さのバランス)
- マウスフィール(舌触り)
- アフターテイスト(後味)
- フレーバー(風味)
- オーバーオール(総評)
上記の各項目を8点満点でつけていき、最終的な点数に+36点することで点数をつけます。 スペシャルティコーヒーを名乗るためには80点以上を得点することが必要であり、さらにトップオブトップのコーヒーは90点を超えることもあります。
スペシャルティコーヒーは美味しいのか?
スペシャルティコーヒーが生産者さんの努力の結晶であり、本当に高品質なコーヒーを表すことがわかりました。
さて、消費者の方にとって重要なのは、果たしてスペシャルティコーヒーは美味しいのか?ということなんですが、 結論美味しいです。
スペシャルティコーヒーの中でどんなコーヒーが好きか、という部分は好みで人それぞれなんですが、 スペシャルティコーヒーよりもコモディティコーヒー(スペシャルティではない普通のコーヒー)の方が好きだ!という方はいらっしゃらないかと思います。
もしそう思う方がいらっしゃるなら、おそらくそれは焙煎か抽出に問題があると私は考えます。
ではなぜスペシャルティコーヒーは美味しいのか?今回はフルーツのイチゴに例えて考えてみましょう。
ちょうど完熟を迎えたイチゴは甘くておいしいですよね。酸味もやわらかく瑞々しいので酸っぱいと感じることもないんじゃないかと思います。
ですがまだ未熟で緑色のイチゴはどうでしょう。おそらく甘さも少ないし、なにより刺激的な酸味を強く感じるのではないかと思います。
逆に完熟を通り過ぎて熟しすぎたイチゴは?甘さは完熟時よりも感じられると思うのですが、すこし甘ったるいと思いませんか? これは酸味がキレを失い、酸味と甘さのバランスが崩れてしまうことで甘ったるいと感じるのではないかと思っています。
スペシャルティコーヒーは完熟のコーヒーチェリー(コーヒー豆の元になるさくらんぼのような果実)だけを手摘みして収穫します。
逆にコモディティコーヒーは完熟だろうが未熟だろうが過熟だろうが、関係なく機械で収穫することが多いです。
よって、スペシャルティコーヒーは例えるなら完熟の果実、コモディティコーヒーは未熟や過熟な果実と言えます。
完熟のイチゴよりも未熟や過熟なイチゴの方が好きだ!という方はおそらくほぼいらっしゃらないと思うので、これが私がスペシャルティコーヒーが必ず美味しいと言える理由だと思います。
おわりに
今回はスペシャルティコーヒーについてすこし踏み込んでお話をさせていただきました。
もちろんコモディティも大量消費という用途では必要かもしれませんし、まずいと言っているわけではありません。
でもスペシャルティの方が美味しいのは明白ですし、スペシャルティコーヒーを消費することでコーヒー業界全体がより豊かになるかもしれない、と思えば私はスペシャルティコーヒーを飲み続けたいです。
おわり。
スペシャルティコーヒーの味を説明する方法
はじめに
こんばんは。q coffee roasterです。 皆さんは街のコーヒースタンドやカフェを訪れた際、バリスタからコーヒーの味わいを説明されたことはありますか? もしあるという方は、こんな説明の仕方をされたんじゃないでしょうか。。
「こちらのコーヒーは、紅茶のようにすっきりしています!」 「まるで熟したイチゴのような風味があります!」
このような説明を聞いて、そのコーヒーの味って想像できますか? 実はこの説明、間違っているわけではないんですが一般の方が聞いても伝わりづらいものだと思うのです。 今回の記事ではこちらの話題を深掘りしていきます!
フレーバーで味は伝わるのか
コーヒー関係者であればある程度伝わりますが、一般の方相手にはほぼ伝わらないと思います。
フレーバーとは
そもそもフレーバーとはなんぞやという話なんですが、これはそのコーヒーが持つ風味を表しています。 液体を口に含んだとき、鼻の奥の方に抜けていく部分が風味なんですが、そんな事言われても、、って感じですよね。 コーヒーの風味でわかりやすいものだと、まずはナチュラルプロセスと呼ばれるプロセスで精製されたコーヒー豆はイチゴとかブルーベリーのようなフレーバーを感じやすいです。 ナチュラル独特のあまーい感じです。 あとはゲイシャ種という希少で高品質な品種があるのですが、そういった高品質なコーヒーから感じられるフローラルさ(花っぽさ)。
コーヒー業界では「カッピング」という手法でコーヒー豆をテイスティングするんですが、カッピングでは客観的に味を評価するために評価基準が設けられています。 詳細はまた別の記事でお話できればと思うのですが、ざっくりいうと雑味のなさ(クリーンカップ)、酸の質、甘さの質、舌触り、バランス、フレーバー、後味あたりが判断の材料になります。 そうです。フレーバーも味を評価する判断材料のひとつなんです。 そういった意味ではフレーバーもコーヒーの味わいにおいては非常に重要なんですが、それが一般の方に向けても同じように重要か、と言われるとそうではないと思うんですよね。
私がコーヒーの味を説明する方法
私は基本的にお客様にフレーバーはお伝えしません。お伝えするとしても補助的な情報としてのみです。 それよりも甘さや酸味の質、バランス、どんな食事と合わせると良いかをお伝えするようにしています。 これは僕自身、フレーバーももちろん大事ですがそれよりもコーヒーを楽しむために気にしていただきたい要素は他にあると考えているからです。
おわりに
私の観測範囲内のみのお話なんですが、近年カフェでコーヒーの味わいを質問してもフレーバーしか教えていただけないことが多いように思います。 桃のようなフレーバーがするコーヒー、チョコレートのような甘さがあるコーヒーが好きなら、たぶんそれはコーヒーじゃなくても桃ジュースだったりチョコレートで良いのでは。。というのが本音です笑 みなさんも、いろんなコーヒーを楽しんでみてくださいね。
美味しいコーヒーってなんだろう?
はじめに
はじめまして。
私は q coffee roasterという個人ロースタリー(コーヒー豆を焙煎するお仕事)を経営している者です。
コーヒーに魅了されてはや7年。
今考える美味しいコーヒーとはなにか?というものを記録しておこうと思います。
なぜコーヒーを飲むのか
なぜ私は(私達は)コーヒーを飲むのでしょうか?
カフェインで目を覚ますため?あま~いチョコレートのお供として?それともおしゃれなカフェで時間を過ごすためでしょうか。
理由は人それぞれあっていいと思うんですが、私はコーヒーが美味しいからコーヒーを飲んでいます。
コーヒーってすごく美味しい飲み物なんです。苦かったり、酸っぱかったりするだけじゃなくて、甘さやフルーツを思わせる瑞々しい酸味、なめらかな舌触り、甘く長く続く味の余韻。。
それが国や農園、さらにロット(農園内の区画)によっても違った味わいが楽しめたりと、7年間飲み続けても飽き足ることをしりません笑
美味しいコーヒーってなんだろう?
では美味しいコーヒーってなんなんでしょう?どんなコーヒーが美味しいんでしょうか?
私が考える美味しいコーヒーとは、高品質な生豆を、適切に焙煎し、適切に抽出したコーヒーだと思うんです。
もっと細分化すると、雑味がなくて(クリーンカップ)、酸味がキレがありつつ瑞々しくて、甘さがあって、酸味と甘さのバランスがよくて、舌触りがなめらかで、余韻が長くて、いろんな風味を感じられるような生豆を、十分に味の成分を残した状態で過不足なく火入れを行い、過不足なく味の成分を抽出したコーヒーが美味しいコーヒーだと思うのです!
ちょっとマニアックになってきましたでしょうか。。笑
何を美味しいと思うかは好みだとよく言われますが、それはすこし語弊がありまして、私としては、上述したような美味しいコーヒーの条件を満たしたコーヒーの中で、どのコーヒーが好きなのかは好みだと思うのです。
例えば酸味が好きな方と嫌いな方がいらっしゃるのは好みの問題なんですが、だからといって酸味が好きな方が低品質なコーヒーの酸っぱい酸味も好きかというと、それは違う場合が多いと思うんです。
つまり、酸味の質は良いのは大前提で、酸味の量が多い少ないどちらが良いかは好みということです。
おわりに
今回の記事では私のコーヒー哲学(?)を吐き出してみました。
あまり具体的にお話するよりは抽象的にお話させていただきました。
7年間コーヒーを飲み続けて常にアップデートされている部分でもあるので、
考え方に変化があればその際にまた記事を執筆する予定です。
それではみなさん、良いコーヒーライフを。